不用品回収詐欺の悪質手口と実例、今すぐできる対策まとめ

目次

「ご家庭の不用品、無料で回収します!」

軽トラックで地域を巡回するアナウンスや、ポストに投函されるチラシ。手軽に不用品を処分できるなら、と安易に依頼を考えていませんか?

しかし、その「無料回収」には、思わぬ高額請求や不法投棄などのトラブルが潜んでいる可能性があります。

特に宮城県内、仙台市でも、不用品回収に関する相談は後を絶ちません。この記事では、実際にあった悪質な手口やトラブル事例を紹介し、被害に遭わないためのチェックポイント、そして万が一の際の相談窓口まで、具体的に解説します。正しい知識を身につけ、悪質な業者からご自身やご家族を守りましょう。

宮城県・仙台市でも発生!実際にあった不用品回収の詐欺・トラブル事例

女性

「無料だと思っていたのに…」「まさか自分が…」そんな声が、宮城県内や仙台市からも実際に寄せられています。

ここでは、公的機関が注意喚起している情報をもとに、代表的なトラブル事例を見ていきましょう。

事例1:「無料のはずが…」トラック積み込み後に数十万円の高額請求(仙台市 Aさんのケース)

「壊れた家電や家具を無料で回収します」というチラシを見て電話した仙台市在住のAさん(70代)。業者が自宅に来て、不用品を次々とトラックに積み込み始めました。「無料ですよね?」と念を押すと、「処分費はかからないが、運搬費や作業費は別途必要」と言われ、作業が終わった後、なんと数十万円もの高額な請求書を突きつけられました。「聞いていない」「高すぎる」と抗議しても、「もう積んだから降ろせない」「払わないと警察を呼ぶ」などと威圧的な態度を取られ、恐怖心からやむなく支払ってしまった、というケースです。

特に高齢者世帯が狙われやすく、「無料」という言葉を巧みに使い、断りにくい状況を作って高額請求に繋げる悪質な手口です。

事例2:回収されたはずの家電が不法投棄されていた(宮城県 B地区の事例)

「使わなくなった冷蔵庫や洗濯機を回収してほしい」と、巡回していた業者に依頼したBさん。料金は数千円で済み、安堵していました。しかし後日、警察から連絡があり、回収されたはずの家電が近隣の山中に不法投棄されていることが発覚。家電に貼られていたリサイクル券などからBさんの情報が分かり、事情を聞かれる事態に。

不用品を業者に引き渡したとしても、その業者が適切な処理を行わず不法投棄した場合、元の持ち主(排出者)が責任を問われる可能性もゼロではありません。正規の許可を持たない業者は、処分費用を浮かせるために不法投棄を行うリスクがあります。

事例3:「貴金属はないか?」強引な訪問買取・押し買い被害

「不用品回収のついでに、貴金属やブランド品なども買い取ります」と訪問してきた業者。不用品を回収してもらった後、「他に何か売れるものはないか?」「金やプラチナのアクセサリーなど、見せてほしい」としつこく要求され、断りきれずに見せたところ、安価で強引に買い取られてしまった、という「押し買い」の被害も報告されています。

不用品回収業者が古物を買い取るには「古物商許可」が必要ですが、許可を持っていても強引な勧誘や不当に安い価格での買い取りは問題です。また、「古物商許可」だけでは、家庭から出る一般廃棄物(不用品)を有料で収集・運搬することは原則できません。

宮城県警・仙台市消費生活センターからの注意喚起情報まとめ

宮城県警や仙台市、宮城県消費生活センターなどの公的機関は、不用品回収に関するトラブルについて、以下のような注意喚起を行っています。

  • 「無料」という言葉をうのみにしない: 回収は無料でも、運搬費、作業費、処分費などの名目で高額な料金を請求されるケースがあります。
  • 安易に業者を家に入れない: 見積もりだけのはずが、勝手に作業を始められたり、貴金属の買い取りを迫られたりする可能性があります。
  • 許可の有無を確認する: 家庭ごみ(一般廃棄物)を有料で収集・運搬するには、自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」が必要です。無許可営業は違法です。産業廃棄物収集運搬業許可や古物商許可だけでは、家庭ごみの収集運搬はできません。
  • 契約前に必ず見積もりを取る: 作業内容と料金の内訳が書かれた書面の見積もりをもらい、内容をよく確認しましょう。追加料金が発生する条件も確認が必要です。
  • その場で契約しない: 高額な請求をされたり、怪しいと感じたりしたら、きっぱりと断り、その場で契約・支払いをしないことが重要です。

【参考情報】

(※上記URLは2024年5月時点のものです。最新情報は各機関のウェブサイトでご確認ください。)

要注意!悪質な不用品回収業者の典型的な手口とは?

トラブルに巻き込まれないために、悪質業者がよく使う手口を知っておきましょう。

  • 「無料」を過剰にアピール: 拡声器での巡回やチラシで「何でも無料」「無料回収」と宣伝し、安心させて依頼させようとします。実際には後から料金が発生することがほとんどです。
  • 会社情報があいまい: チラシに電話番号しか記載がない、所在地が不明確、ウェブサイトがない(または情報が少ない)など、実態が掴みにくい業者には注意が必要です。
  • 見積もりをしない・曖昧にする: 事前に明確な見積もりを出さず、「とにかく積み込みましょう」「作業後に計算します」などと言って作業を始めようとします。
  • 作業後に高額請求: トラックに積み込んだ後や作業が完了してから、想定外の高額な料金(運搬費、人件費、処分費など)を請求します。
  • キャンセル料の脅し: 高額な見積もりや請求に断ろうとすると、「もう積み込んだからキャンセルできない」「高額なキャンセル料がかかる」などと脅して支払いを強要します。
  • 強引な態度・威圧: 断られても居座る、大声を出す、乱暴な言葉遣いをするなど、威圧的な態度で契約や支払いを迫ります。
  • 不法投棄: 回収した不用品を山中や空き地などに不法投棄し、処分費用を不正に浮かそうとします。

被害に遭わないために!【宮城・仙台版】悪質業者を見分けるチェックポイント

怪しい業者を見分けるために、以下の点を必ずチェックしましょう。

  • 「無料」の言葉に惑わされない:
    「無料」には必ず理由があると考えましょう。「なぜ無料なのか」「どこまでが無料なのか」を具体的に確認することが重要です。
  • 業者の情報を確認する:
    • 会社の所在地、固定電話番号が明記されているか? (携帯電話番号だけの場合は注意)
    • ウェブサイトはあるか? (実績や料金体系、許可情報が確認できるか)
  • 【最重要】「一般廃棄物収集運搬業許可」の有無を確認する:
    家庭から出るごみ(一般廃棄物)を有料で収集・運搬するには、市区町村の許可が必要です。仙台市の場合は仙台市長の許可が必要になります。「産業廃棄物収集運搬業許可」や「古物商許可」だけでは、家庭ごみの収集運搬はできません。 許可の有無を必ず確認しましょう。許可業者の一覧は仙台市のウェブサイトなどで確認できる場合があります。(※自治体の委託を受けている場合もあります)
  • 見積もりは書面で詳細にもらう:
    口頭での説明だけでなく、作業内容、品目ごとの料金、追加料金が発生する場合の条件などが明記された書面の見積書を必ずもらいましょう。
  • 口コミや評判を調べる:
    業者名でインターネット検索し、過去のトラブル事例や利用者の評判を確認することも参考になります。(ただし、口コミはあくまで参考程度に)
  • 訪問時の対応をチェックする:
    スタッフの態度が丁寧か、質問に誠実に答えるか、契約を急かさないかなどを確認しましょう。少しでも怪しいと感じたら、きっぱり断る勇気が必要です。

トラブル回避!不用品回収を依頼する際の具体的な注意点

信頼できる業者を見つけた後も、トラブルを避けるために以下の点に注意して依頼しましょう。

  • 必ず複数の業者から相見積もりを取る: 1社だけでなく、2~3社から見積もりを取り、料金やサービス内容、対応を比較検討しましょう。極端に安い見積もりにも注意が必要です。
  • 見積もり内容をしっかり確認する: どの作業にいくらかかるのか、追加料金が発生する可能性はあるか、キャンセル規定はどうなっているかなどを、契約前に必ず確認しましょう。不明な点は遠慮なく質問してください。
  • 作業範囲を明確にしておく: 回収してもらう品物、作業してもらう範囲(部屋の片付け、搬出経路など)を事前に業者と確認し、認識のずれがないようにしましょう。
  • 作業当日は立ち会う: 可能であれば作業に立ち会い、見積もり通りの作業が行われているか、貴重品などが誤って処分されていないかなどを確認しましょう。
  • 領収書を必ずもらう: 支払い後は、業者名、日付、金額、作業内容(品目など)が明記された領収書を必ず受け取り、保管しておきましょう。

もし被害に遭ってしまったら?宮城県・仙台市の相談窓口

どれだけ注意していても、悪質な業者の被害に遭ってしまう可能性はあります。万が一トラブルになった場合や、困ったときは、一人で悩まずに以下の窓口に相談しましょう。

消費生活センター(消費者ホットライン)

局番なし「188」(いやや!)
契約トラブルや悪質商法に関する相談を受け付けています。お住まいの地域の消費生活センターにつながります。

クーリング・オフについて

訪問回収などで契約した場合、条件によっては契約から一定期間内であれば無条件で契約を解除できる「クーリング・オフ」が適用される可能性があります。ただし、自分から業者を呼んだ場合など、適用されないケースもあります。早めに相談しましょう。

警察相談専用電話

局番なし「#9110」
脅迫された、無理やり契約させられたなど、身の危険を感じる場合や犯罪の可能性がある場合は、こちらに相談してください。緊急の場合は「110番」です。

仙台市の相談窓口

仙台市消費生活センターや、ごみの担当課(環境局)でも相談を受け付けている場合があります。市のウェブサイトでご確認ください。

相談する際は、契約書、見積書、領収書、業者の連絡先、やり取りの経緯などを記録したメモを用意しておくとスムーズです。

まとめ:信頼できる不用品処分方法を選び、悪質業者から身を守ろう

「無料回収」という言葉には、高額請求や不法投棄といった大きなリスクが伴うことをご理解いただけたでしょうか。宮城県内、仙台市でも、残念ながら悪質な不用品回収業者によるトラブルは発生しています。

不用品を処分する際は、

  • 仙台市など、お住まいの自治体が定める正規のルールに従って処分する(粗大ごみ収集など)。
  • 自治体の「一般廃棄物収集運搬業許可」を持つ、信頼できる業者に依頼する。

この2つの方法を基本とし、安易な「無料回収」には絶対に手を出さないようにしましょう。事前に情報を集め、慎重に業者を選ぶことが、トラブルを防ぎ、安心して不用品を処分するための最も重要なポイントです。この記事を参考に、悪質な業者からご自身と大切な財産を守ってください。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次